災害時の対応について
平成23年3月11日に発生した東日本大震災の教訓を受けて、今後発生する可能性のある災害に対処するための手引きとする。
1.今後発生が予想される大地震
- 東海、東南海、南海プレートの大地震が30年以内に約60パーセント発生する可能性あり。地震規模マグニチュード9,0予想
- 東日本大地震より、陸地に近い海底で起こる可能性があるといわれ、津波の到着が早く、過去3大大地震による焼死、圧死、水死等甚大な被害が予想される。
- 3プレート以外に過去に鹿児島においても大地震の記録が残っている。
2.過去の大地震例
- 関東大地震 死者の割合(火災による焼死) 約9割
- 神戸沖大地震 死者の割合(建物倒壊による圧死) 約9割
- 東日本大地震 死者の割合(津波による水死) 約9割
3.南海プレート
南海プレートは、四国を中心とした海底位置にあるが、東日本大震災の影響を受け四国沖から宮崎日向灘まで影響が考えられる。宮崎県は隣接県であるため、鹿児島への影響が大であるといわれる。
鹿児島市の場合、外海ではなく錦江湾に面しているが、津波の到着時間は約20分位であるといわれている。
過去の事例、1914年(大正3年)桜島の大噴火の8時間後にマグニチュード7.1の地震が発生し、その後小規模の津波発生。
また、1780年、1781年鹿児島湾内の海底噴火で津波発生。1792年、雲仙岳崩壊し、高さ10メートルの津波が発生し熊本県で被害が発生している。
4.本園、分園(ベビーズ)の標高、位置、建物の構造等
※標高は鹿児島市安心安全課発行の標高マップによる
本園
標高6メートルの高さ、錦江湾の西側(山側)に位置する、埋立地ではない。近くに木之下川が流れている。
建物
鉄筋コンクリート造3階建、屋上10メートル、耐震構造、H11年3月建設
近くの公共高層建物
谷山支所、谷山小学校等
分園
標高3メートルの高さ(但し、道路面より約1メートル上がっている為4メートルと考える)。
錦江湾の西側(山側)に位置する、埋立地ではないが、近くの谷山緑地公園等埋立地に近い、近くに和田川が流れている。
近くの公共の高層建物
谷山市民会館
建物
鉄骨造3階建、屋上屋根の高さ10メートル、耐震構造、平成22年3月建設
5.大地震、大津波発生への対処方法
- 地震発生の緊急放送を行い状況に応じた対応を指示する。(状況により避難指示が出来ない場合は、職員同士連携して避難にあたる。)
- 子どもたちを落ちつかせ、机や部屋の壁際に避難させ、安全を確保し、布団、毛布などで身を守らせる。(登園児全員の確認)
- 大津波が発生した場合、短時間内に多くの乳幼児を引率して他の避難場所への移動は危険が伴う恐れがあると思量されるので、
第一義的には本園、分園建物内に留まり、津波の状況に応じて2階保育室、3階保育室、屋上等に避難する。 - 津波が発生し、建物に浸水してくる場合は、地震の揺れが収まった後、職員が手分けして砂袋を1階部分など浸水してくる場所に置く。(本園20袋、分園10袋それぞれ準備)
本園設置箇所 正面入り口2カ所、給食室勝手口他1階入口
分園設置箇所 正面自動ドア入口、他1階入口 - 給食室等のガス元栓閉鎖の確認
- 全ての電源を切る
- 避難出口の確保
- 負傷者有無の確認を行い、必要に応じて救急車の出動を依頼する。
- 火災発生の場合は、消火器による初期消火活動を行い、119番、110番へ通報する。
- 非常持ち出しの連携(園児名簿、緊急連絡先、救急用品、おんぶヒモ等)
- 状況に応じ本園、分園各3階に用意してある非常食、非常用飲料水を使用する。
6.緊急時の留意点
- 慌てて外に飛び出さない。
- 2次災害が起きないように、冷静に行動し安全な場所に避難する
- 1箇所に子どもを集める
- 安全な避難経路を確保し、物の崩壊、ガラス損壊等で足等への怪我を防止するため、毛布、布団等を敷く。
- カラー帽子を着用し、状況に応じて靴を履かせる。
- ラジオ、テレビ等による迅速な情報収集
- 垂れ下った電線には絶対に触れない
- 保育関係書類の移動
- 事務機器の移動(パソコン等)
- 重要書類の移動(定款、通帳類、印鑑類、認可書等)
7.園外保育時の対処方法
- 園外保育計画の確実な記載、提出(園児数、職員数、目的地、携行品等)
- 園出発時、活動中、目的地出発時、帰園児に確実な子どもの人数確認。
- 携帯電話等の携行。
- 災害が発生した場合は直ちに本園へ連絡、または本園(分園)から連絡して、避難方法について確認し安全に避難する。
- こども園周辺の公園(谷山第1中央公園、円明庵公園、東新緑地公園、グリーンベルト等)の場合は、
子どもの人数を確認して直ちに、本園、分園に引き返す。上記以外の遠方で本園、分園に引き返すことが困難な場合は近くの高層建築物に一時的に避難する。 - 河川(木之下川、和田川等)の周辺は、海水が流れ込み危険であるので、避けて移動する。
- 多くの避難車両が移動する場合があるので、交通事故等に留意する。
8.避難訓練
毎月実施している避難訓練時において大規模災害(大地震、大津波)を想定して、建物の2階または3階への避難訓練を年数回実施する。
9. 津波の危険から身を守る5つのポイント
※地震津波防災啓発リーフレット引用
- 地震の揺れの程度で自ら判断しない
- 「遠く」よりも「高く」に
- 「津波が来ない」という俗説を信じない
- 避難に車を使わない
- 引き潮がなくても津波は襲う